目が覚める瞬間

元夫と、久し振りに電話で話をした。

私も最低だけど、彼もやっぱり最低。

人間、追いつめられると、こうも醜い態度を取るんだな、と思ったり。

彼との出会いも、結婚も、私にとっては必然で、人生を無駄にしたとは思わないけど。

恋は盲目。
これは、本当だ。

それでも、止められないのが、恋・・・か。

なんだか泣きそうになった。

会社の帰り、すぐ近くの駅まで現彼が送ってくれた。

私の話、ほとんど愚痴、というか独り言・・・を聞いて、ひとこと。

 心配するな。

そう、気休めでもいいから。
今は、彼にそう言ってもらいたいとき。

あなたは、元夫とは全然違うよね。
恋愛至上主義じゃない。
逆上せ上ったりしない。
私には、素の自分を見せないんじゃないかな。

それが寂しくもあり、安心でもある。


元夫の姓を名乗るのが、急に嫌になった。

面倒だけど、旧姓に戻そう。
引っ越しもしよう。

今まで、避けてきたけれど、そろそろリスタートしないと。

後遺症

彼に会いたいとき、自分から会いたいと言えない。

いや、言えることは言えるんだけど・・・。
必要以上に気合いが入ってしまって、ちっとも自然じゃない。

たぶん、これってひとつ前の恋愛の後遺症のようななものなんだろう。

会いたいって伝えるのは、なんていうか・・・神経がすり減っていく感じ。
むしろ、ストレートに、セックスしたいって言う方が気楽。

なんでかな。

私が言うところの「会いたい」の目的は、セックスだけなのか、そうじゃないのか。
自分でも、いまいち分からない。

哀しい選択

人生の岐路に立って、自分で進むべき道を選ぶ。
過去にも、そういう場面を何度か経験した。
そして、その選択は間違っていないと、いつも自分を信じてきた。

私は、最近、今までで、一番哀しい選択をした。

そのことを、ここに書こうと思ったけれど。
今は、とても無理だ。

他の誰でもない、自分のために、私はその道を選んだはずだ。
これでよかったんだと、今までのように、自分を信じたいのに。

活字中毒の私が、本を読めない。
眠りが浅くて、続けて眠れない。

時間がたてば、心の痛みも癒されると思った。
でも、今回は逆だった。

少しずつ、喪失感が大きくなっていく。
その日から1週間、涙は一滴も出なかった。
ふつうに仕事して、友達と会って、笑ってた。

仕事がオフになったら、気が抜けたのか・・・
今まで抑えていた感情があふれ出したように、涙が止まらなくなった。

こんなとき、私が電話してしまうのは、いつもなら陽一郎さんだ。
でも、今度はひとりで乗り越えなきゃいけない。

 俺にできることは、全力でやるから・・・

そう言ってくれるけど・・・
彼にできることは、たぶん、もう何もないから。
それを承知で彼に寄りかかってしまえば、また同じことの繰り返しになるだけ。

ひとりで乗り越える。
時間がかかっても。
私には、それだけの力がある。

今は、そう信じたい。

決意

夕刻、仕事を終えた彼が待つホテルに向かった。

ベイサイド。
レインボーブリッジが間近に見える。
右手には東京タワーも。
窓を開けると、海からくる湿った風が、肌にまとわりつく。

今回は、人気のないところ・・・極力仕事関係者が来なさそうなところを選んだらしい。

私と陽一郎さん、ようやく、次の段階に進んだような気がした。

一緒にいても、ひとり。

私だけが、マスターベーションをしているような、そんな感覚。

正直、とても寂しい。

はじめは、別れた直後が寂しかった。
今では、一緒にいても・・・満たされない。

理由は簡単。

私は、彼に愛されたいのだ。

彼を夢中にさせたい。

そのためには、何が必要で、自分がどう動けばいいのか、頭ではわかっているけど・・・。

彼を相手にすると、私の理性は吹き飛んで、そんなことすっかり忘れてしまう。

小さな努力じゃどうしようもない。

前は、その段階で、彼に対して動かずに新しい相手を見つけた。
今思えば、それってただの「逃げ」だったような気がする。

もう、前と同じことを繰り返したくない。

イメージトレーニングでも、なんでも、必要なことはすべてやるから、逃げないで乗り越えるだけの、意志の強さがほしい。

02:54

彼のスケジュールを聞くこと。
それを、ためらってしまうのはどうしてだろう。

私のスケジュールを伝えるのは、簡単なのに。

逆に聞くのは怖い。

仕事中の彼に、「何時に終わる?」って聞けなくて、
私が、考えに考えて送ったメールは「終わったら、電話して」だけ。

メールがこなかったら、電話がこなかったら・・・
そう思うと、もう何も手に付かないほど気になってしまう。

彼に縛られているようで、実は自分で自分を縛っているのかな。


深夜、仕事を終えた彼から着信あり。
私は、待ちくたびれて、というより待つのが精神的に苦しくて眠ってた。

 仕事終わったの?

 うん。今、終わった。
 今回は遅くなるって言ったでしょ。
 期待してた?

 ううん。そうじゃなくて、もう寝ちゃってた。
 今、何時?
 
 もうすぐ3時。
 
 そっか。
 お疲れさま。
 もう、寝なきゃだね。
 おやすみなさい。


私が彼に期待したのは、電話をくれること。
とりえあえず、それだけ。

真夜中の電話ひとつで、彼の声を聞けただけで、すごく満たされた気分になって、そのまま眠りについた。

朝起きて、着信履歴を見たら、ちゃんと彼の名前が残っていた。
昨夜の電話は、半分寝ぼけてたから、夢じゃないかと思ったけれど、現実だったみたい。

そんな些細なことでも、私にとっては幸せに思えてしまう。

こんな時間だから、起こしちゃ悪いなんて、そんな気を使ってくれる男じゃなくてよかった。

小旅行

 せっかく休みを取ったんだから、ちょっと遠出しない?。

彼のリクエストで向かった先は都心からほど近い温泉リゾート。
私は大阪、彼は東京から、それぞれ新幹線に乗った。
出張帰りだから、私も彼も普通にお仕事スタイルで、どうみても、リゾートに向かう格好じゃない。
旅館じゃ明らかに「浮く」だろうけど、ま、ホテルならおかしくないだろう。

温泉と暖炉、Dinnerはフレンチorお寿司というなんとも和洋折衷な取り合わせ。
タクシーの運転手さんによると、ここのお客さんは、皆ほとんど外出しないでホテルにこもっているそう。

平日なのに、けっこうお客さんがいて驚く。
しかも、外人さんが多い。

 平日の、しかも週の真ん中なのにね。
 みんな何してる人たちなんだろうね?
 なんて、話している俺たちこそ、何してるの?って話だよ。

こんな場所なら、できれば、2泊くらいゆっくりしたいところ。
でも、いつも忙しい陽一郎さんのこと。
出張に1日プラスしてお休みを取るだけでも、かなり頑張ってくれたんだろうな、と思う。

ずっとタイミングが合わなくて、すれ違ってばかり。
この機会が無理なら、来月、仕事が一段落したら、プライベートで行くから。
なんて、言ってくれてたけど、なんとか私も休みを取れた。
そのために、かなりハードスケジュールで出張先からとんぼ返りになったけど・・・・
そんなこと、どうってことない。

夜遅く、別々にチェックインして、次の日も、お昼前には出なくちゃいけない。

重いカーテンを閉めて、朝日が入らないようにした。
ずっと夜が続けばいいのになんて思うから、あんまり眠れない。


名残惜しいくらいで別れるのが、私たちの流儀。

「じゃあ、元気で」

そう言って手を振る彼に、私も笑顔で「じゃあね」って言わないと。

・・・

こんな、出来すぎた「不倫」。

罪悪感なんて持っていたら、とうていできないと思う。
自分中心に考えればこそ、成り立っている。

私は、陽一郎さんのことになると、人を傷つけるであろうことも平気でしてしまう。
その辺の感覚が麻痺してしまうようだ。

でも、彼は、非日常を楽しんでも、日常を疎かにするような「ボンクラ」な男ではない。
そして、、私にできるのは、彼の非日常・・・ちょっとした冒険だったり、遊びだったり、を一緒に演出することぐらい。
それ以上を求めなければ、私の存在が、彼の家族に知られるようなことは、まず、ないだろうと、安心している面もある。

もちろん、絶対にばれない保証なんてないけど。

50/50

 奈緒が独身になると、対等な立場じゃなくなるから・・・会い辛い。

陽一郎さんに、言われた。

 そっか・・・じゃあ、もう会わない?

 うん、、、。

歯切れの悪い返事。
そして、唐突に電話が切れた。

あの人らしい反応。
なんとなく、そんな予感はしてた。

彼の重荷にならないように、罪悪感を感じさせないように・・・
そうしないと会えないなら、私は、きっと、そのための努力を惜しまないだろう。

今の私にとって、彼との時間はかけがえのない大切なもの。
約束の日を、ずっと指折り数えて待っている。
彼に会えると思うから、毎日を頑張れる・・・。

幻想でも逃避でもなんでも。

キックオフ

ケータイの小さな四角い画面上で、繰り広げられる駆け引き。

あー、やっちゃった。
やっぱり今日も私の負け。

押されたら、いったん引けばいいのに、押し返してしまうのが私の常みたい。
またしても、彼に対して、テンション高くなってるのが伝わってしまった。

敗因は、浮かれて冷静さを欠いたこと。

そこまではわかっているんだけど・・・
どうして行動に移す前に歯止めが効かないんだろうか。
歯がゆくてかなり悔しい・・・自分に対して。

目標を立てて、段取りをしつつ仕様をつめていく・・・そういうのは得意なはず。
対陽一郎さん向けプロジェクトを立ち上げようかな。
ゴールは、もう決まっているし。
大概の想像通り、おバカなゴール設定だけど。
目標があると、少しは冷静に動けるかもしれない。

とりあえずフェーズ1は、彼からのアプローチを無視することだ。
少し、いやかなり、彼を不安にさせたい。
いきなりハードル高いかなぁ。

でも、このプロジェクト、私がマネージャー兼プレーヤーなわけで・・・
いわゆる一人プロジェクトだから・・・
少し厳しいくらいじゃないとダメだな。
ストイックにいこう。

今日は、たまたま部のキックオフ飲み会。
凹んだ気持ちのまま、しこたま飲んでカラオケまで付き合った。
騒いで憂さ晴らし、なんてオヤジ入ってるなぁ。
でも、楽しかったからよしとする。

明日も、仕事関係の飲み会。
3夜連続ともなると、さすがにしんどいけど。
ま、体力の続く限りがんばりましょう。

深呼吸

陽一郎さんのことになると、毎度のことながら感情に支配されてしまう私。
最近は、そんな自分を自覚して、少し気を付けるようにしてる。

今日は、仕事帰りの電車で、うっかり彼からの電話に出てしまった。

 「週末、大阪出張だよ」
 
 「私は金曜まで大阪」
 
 「タイミング合わないな」と彼が笑う。
 
 「今、電車の中だから、もう切るね」

そう言って電話を切った。
電話を切ってから、ケータイを握りしめて、大きく深呼吸。

土曜はオフだけど、日曜日は出社して仕事したい。
でも、彼にも会いたい。

さーて、どうする?

しばらくして、彼から、メールが来た。

たぶん俺もあんまり時間取れないし、かまってあげられないけど、それでもいいなら会おう。

そんな内容。

「無理しなくていいよ」
が、私に対する彼の口グセである。

「平気、無理なんかしてないよ」
そう返事を送りそうになったけど、またひとつ深呼吸して、

「日曜は仕事したいんだよね。またいつかタイミングがあったらね・・・」
そう返した。

うん。それでいい。
上出来。

そうそう、なにも無理することない。
この流れで会えば、きっと、別れたとき、また強烈に辛いんだから。

何度も泣いて、だいぶ、学習したようだ。

感情に流されそうになったとき、深呼吸するのって意外に効く!と思った。
一呼吸おくのって、こういうとき、大事かもしれないな。

出口

私は、陽一郎さんに対してどんどん臆病になっている。

なんでだろう。
ふと気づいてみると、もう前のように簡単には連絡できない。
一大決心して、勇気を奮い起こさないとだめだ。

そんな必要ないって!?

もっともっと臆病になってそのまま、ぷっつり途絶えてしまえば問題ないのに。

私は、それもできずにウダウダああでもこうでもないって、考えて考えて、結局はメールを送ってしまう。

「送信」ボタンをを押したあと、それですっきりするならいいけれど、そこからまた考えて考えて・・・

参ったなぁ。

私は、自分で、自分のことを「どうしようもないやつ」だって思い始めている。
意気地なしでウダウダする自分を、やっぱり認めたくなくて、許せなくて、そこでストレスを感じている。
自分大好きなこの私が!!

今まで、こんなに自分を嫌いになったことってないかもなぁと思う。
それだけ、今の私ってボロボロなんだろう。

傍目には、いつもどおり笑顔でいるし仕事もこなすし、ふつうに毎日を送っているけれど・・・。
実際は、かなり煮詰まっているような気がする。
進めないし、戻れない。
動けない自分に対して、焦って不安になっている。

ここ最近、このブログにさえ、さすがに恥ずかしくて書けないようなことをしちゃってる。

長いトンネルに入ってしまったなぁ。
出口、見えないな。