得るもの

離婚届けは、夫が一人で区役所に出しに行ってくれた。

後日、離婚届けを受理しましたよ通知が、区役所から届いた。

なんでも、配偶者に無断で提出してしまう輩がいるので、そういう事態が起こったときに、素早く対処するため・・・なんだとか。

なるほど・・・。

でも、私たちの場合は、協議離婚で円満解決なので、その点は問題なし。

こういう書類を目にするときは、感傷的になったりするものか・・・とも思ったけれど、一切そんなことなかった。

結局、時間をかけて、よかったような気がする。

もう、私たちの結婚はダメなんだって、きっちり納得できたから。

そして、これからの人生について、覚悟もできた。

失さないと得られないもの。
きっと、あるはず。

小旅行

 せっかく休みを取ったんだから、ちょっと遠出しない?。

彼のリクエストで向かった先は都心からほど近い温泉リゾート。
私は大阪、彼は東京から、それぞれ新幹線に乗った。
出張帰りだから、私も彼も普通にお仕事スタイルで、どうみても、リゾートに向かう格好じゃない。
旅館じゃ明らかに「浮く」だろうけど、ま、ホテルならおかしくないだろう。

温泉と暖炉、Dinnerはフレンチorお寿司というなんとも和洋折衷な取り合わせ。
タクシーの運転手さんによると、ここのお客さんは、皆ほとんど外出しないでホテルにこもっているそう。

平日なのに、けっこうお客さんがいて驚く。
しかも、外人さんが多い。

 平日の、しかも週の真ん中なのにね。
 みんな何してる人たちなんだろうね?
 なんて、話している俺たちこそ、何してるの?って話だよ。

こんな場所なら、できれば、2泊くらいゆっくりしたいところ。
でも、いつも忙しい陽一郎さんのこと。
出張に1日プラスしてお休みを取るだけでも、かなり頑張ってくれたんだろうな、と思う。

ずっとタイミングが合わなくて、すれ違ってばかり。
この機会が無理なら、来月、仕事が一段落したら、プライベートで行くから。
なんて、言ってくれてたけど、なんとか私も休みを取れた。
そのために、かなりハードスケジュールで出張先からとんぼ返りになったけど・・・・
そんなこと、どうってことない。

夜遅く、別々にチェックインして、次の日も、お昼前には出なくちゃいけない。

重いカーテンを閉めて、朝日が入らないようにした。
ずっと夜が続けばいいのになんて思うから、あんまり眠れない。


名残惜しいくらいで別れるのが、私たちの流儀。

「じゃあ、元気で」

そう言って手を振る彼に、私も笑顔で「じゃあね」って言わないと。

・・・

こんな、出来すぎた「不倫」。

罪悪感なんて持っていたら、とうていできないと思う。
自分中心に考えればこそ、成り立っている。

私は、陽一郎さんのことになると、人を傷つけるであろうことも平気でしてしまう。
その辺の感覚が麻痺してしまうようだ。

でも、彼は、非日常を楽しんでも、日常を疎かにするような「ボンクラ」な男ではない。
そして、、私にできるのは、彼の非日常・・・ちょっとした冒険だったり、遊びだったり、を一緒に演出することぐらい。
それ以上を求めなければ、私の存在が、彼の家族に知られるようなことは、まず、ないだろうと、安心している面もある。

もちろん、絶対にばれない保証なんてないけど。

ありがとう

あなたがいてくれて、ほんとによかった。

忙しいなか、時間を割いてくれてありがとう。
私にとっては、あなたの存在そのものが幸せ。

今度いつ会えるか分からないけど。
私は私で、元気でがんばっていくから。
心配しないでほしい。

・・・
伝えられない言葉が沢山ある。

私が素直に言えるのは、
「ありがとう」だけ。

傾向分析

同じ会社の同僚さん。
御歳53歳。
同僚っていっても、どちらかというと、私の父親に近い世代。

深夜、チャットで仕事の話をしていると、
いつのまにか脱線してしまい。。。

私の恋愛傾向を分析してくれた。

 奈緒さんは、男から見たら、
 ちょっと難しいなという感じが
 あるのかな、と思います。
 普通の、ごく平均的な安定した
 家庭生活を望む男にとっては、
 近寄りがたいイメージ。
 寄ってくるのは、いわゆる
 自信家タイプ。
 奈緒さんって、しっかりしてて
 男に甘えるような素振りは一切
 見せないんだけど、かといって
 男を支配するような女社長
 タイプじゃあないでしょ?
 心の中では支配されたいって思ってる。
 男の目にはそういうふうに、見えるのよ。
 でも、奈緒さんを支配するのは 難しそう。。。
 結果、自信のある男だけが
 近寄ってくる。
 そんなことない?
 
うーん、、、
かなり当たっているかも。
彼の言うように、私を支配するのが難しいかどうかは分からないけど・・・

私が、過去「この人の心を手に入れたら、他は何にもいらない」なんて思いつめるほどに惚れた男性は、3人だけ。
確かに皆、揃いも揃って自信家だった。

彼曰く・・・
 
 安定が幸せな人もいれば、そうじゃない人もいる。
 奈緒さんは、後者じゃない?
 退屈しちゃうんでしょ?
 結婚向きとは言えないよねぇ。
 よく結婚できたね。
 
だそうな。

 分析して傾向が分かったら、対策を練らないと。

私が、そう返事を返すと・・・
彼は、ここまでは無料だけど、対策は別料金だ!と言ってきた。

商売上手め。

一般的にはリスクの高い、退屈とは無縁の恋をしていることを、彼に打ち明けてみようかな。
 

いい日

お友達の結婚式に参列。
男泣きの新郎さんの姿を見て、思わずもらい泣き。

長年の不倫から、足を洗って伴侶を見つけた新婦。
あ、違うか、伴侶を見つけたから不倫関係を清算したんだっけ。

別れ話を始めて、二人で朝まで泣いたという彼女。

 これから、彼にちゃんと清算したってことを伝えようと思う。
 長く付き合った人だから、やっぱり寂しいけれど・・・。
 もう、終わり。

うん。彼女なら、大丈夫だって気がした。

そして、今日、幸せそうな新郎新婦とそのご両親を見ていると、結婚とか家族って、やっぱりいいもんだなぁと思った。

こんなふうに、大勢の友達や親族の見守る中で、愛を誓った日のことを忘れないでいれば、きっとこの先、壁にぶつかったときも、乗り越えて行けるんじゃないかな。
そうであってほしいなと心から思った。

幸せそうな人たちを見て、私もHappyになった一日。

私にも愛する人がいて・・・
そのことが、なぜかすごく幸せ。
どんなに遠くても。
今夜、会えなくても。

夕暮れ

ビーチに面した大きな窓から、ぼんやり夕日を眺めていた。

元夫と最初に旅した場所。
そういえば、どこか風景が懐かしい。
でも、さすがにもう感傷ってこともないかな。
昔を懐かく思い出すだけ。

あの旅行は、楽しかったな。
何もかもが、ときめいて。

陽一郎さんとは、したくてもできなかったこと。

条件は同じ妻帯者なのに、あの人は、ごく当たり前のように私を連れ出してくれた。
海はまだ冷たくて泳げなかったけど、あんなに楽しい旅は久し振りだった。

相手は陽一郎さんじゃなくてもいいのか・・・。
そう思うだけで、心が軽くなって、解き放たれたような気がした。
単純にうれしかった。

今、あの時と同じ場所にいる。

長い時間をかけて、さんざん道に迷いながら、ここへ戻ってきた。
どんなに振り払おうとしても無理で、結局、私が辿り着いたのはここ。

心は、そう、、、穏やかだ。
波風は立っていない。


陽一郎さんに会いたい。

もう迷うことない。
他の誰かを探したりしない。
ていうか、できないよ。

仕事を片付けたら、彼に会いに行こう。

彼に、待ち合わせの時間と場所を伝えたら、「了解」って返事が返ってきた。

もう会わないんじゃなかったの?
なんていうツッコミは無し。

忘れているのか、覚えていても無視しているのか・・・。
ま、そんなのどっちでもいいや。

もうすぐ彼に会える。
今は、それがすべて。

彼が、私の原動力だ。

めまい

朝早起きは、もう習慣になりつつある。
休日も、8時には目が覚める。

今日は、連休最終日。
特に予定もないので、献血にでかけた。
献血ルームまで、天気もよさそうだから、てくてく歩くことにした。
帰りにデパートに寄って、ウィンドーショッピングして。
そんな計画を立てて外出。

献血ルームも午前中の早い時間だとそんなに込んでない。
すぐに名前を呼ばれ、血液検査へ。
看護師さんの「あらー、今日は濃さも血小板もばっちりね」の一言に、ほっと一安心。
今年になってから、比重が軽くてNGをくらうことがわりとあったのだ。
お休み中は、なるべく自炊して食生活に気を配ったのがよかったかな。

採血は順調に終わった。
ベッドから起き上がるとき、いつもクラッとするけど、それには慣れている。
20分くらいお茶を飲んで、デパートを目指して、いざ雑踏の中へ・・・。

デパートまでは歩いてすぐの距離。
最初の1ブロックは全然平気だった。
ところが大きな交差点で信号待ちをしていると、急に目の前が暗くなった。
視界がぼやけて、焦点が定まらない。
血糖値が下がったのかと思って、ジュースでも買おうと、近くのコンビニに入った。
とりあえず、ゼリー飲料を買って、外に出たけれど。
一歩も動けない。
体を動かすエネルギーが枯渇してしまったみたい。

前にも一度、こんな状態になったことがある。
そのときは、地下鉄の階段を上って、駅から1分のオフィスにたどり着くのに、5分くらいかかった。
結局、オフィスで休んでも回復せず、病院に行ったら即入院なんてことに!

い、いかん。
その場にしゃがみこんで、目を閉じた。
しばらく休もう。

目を開けてみても、相変わらず、視界が暗い。
今日は、このまま帰ろう。
さっきまで、デパートを回る気満々だったのに。
自宅までの500mが、やけに遠く感じた。

休み休み歩いて、ようやく自宅にたどりつき・・
そして、そのままベッドになだれ込む。

1時間くらいそうしていると、何事もなくふつうに起き上がれるようになった。
さっきコンビニで買ったゼリーを飲む。
はぁーーーー。

さっきの、めまいはなんだったんだろう。

低血糖?
うーん。献血ルームでミルクティーを飲んだしなぁ。
体調も悪くなかったし。

原因がわからないけど、まぁ大事に至らなくてよかった。
あのままコンビニ前で倒れてたら、きっと大騒ぎだ。

明日は仕事かぁ。
でも、明後日からまたオフの予定。

リフレッシュ休暇ということで、南の島に行くことにした。
といっても、国内だけど。

出張以外の一人旅は久し振りだ。
何もせず、のんびりしよう。
あ、ダイビングはしたいかな。

バツイチは・・・

同じ部署の同僚さんで、たまに飲みに行ったりする男性がいる。
かなり前から気付いていたけど、どうやら私に気があるみたい。

私もその気ありなら、とてもうれしいんだけど・・・

私としては、彼とはあくまでも仕事上のお付き合いと思っているから、仕事帰りや出張先でなら、ふたりで飲みに行ったりもするけれど、休日まで誘うのってどうよ・・・と思ってしまう。

適当な理由を付けて断り続けていたのだけれど、とうとうコクられてしまった。

超身近だから、真剣な顔で「つきあおう」なんて言われると、非常にやりにくい。

こっちまで真面目に「ごめんなさい」なんて言うと、さらに仕事がやりにくくなりそうで、「またまた〜冗談きついですよ。私と付き合ったりなんかしたら、いやマジでヒドイ目にあいますよ〜。」なんて言って、笑って逃げた。

しかし、いきなりストレートに来た!ってかんじ。
真面目がスーツ着てるような人だもんなぁ。
あぁぁ、同じ職場なんだから、ちっとは後先考えてほしい・・・

今度、またその人と一緒に出張予定があるもんだから、微妙に気が重い。
脈なしってことで、向こうもいつもどおり接してくれるといいんだけどな。

某離婚の先輩曰く、バツイチはもてるって・・・ほんとかしらん?!